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益田ミリ『47都道府県女ひとりで行ってみよう』を旅好きの元司書がレビュー

益田ミリ『47都道府県女ひとりで行ってみよう』とは?

益田ミリさんの『47都道府県女ひとりで行ってみよう』は、全国を巡った著者の女ひとり旅の様子を、47都道府県別の短編小説のように楽しめる旅エッセイです。

著者が体験した47都道府県の魅力が等身大に綴られており、旅好きはもちろん、旅行先に迷う方も「私も行ってみようかな」と背中を押してもらえるような温かさを感じられます。

元司書の本好きであり、47都道府県を制覇した旅好きでもある私にとっても、あるときは観光地巡りのガイドに、またあるときは心を癒してくれる旅のお守り的な一冊です。

今回は、旅好きにも本好きにも刺さる名作『47都道府県女ひとりで行ってみよう』について、元司書の旅好き(かつ益田ミリさんのファン)が徹底レビューします。

本書の魅力や読んだ感想はもちろん、おすすめしたい読者像や、あわせて読みたい著者の旅エッセイも紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

【本の詳細情報】
・タイトル:47都道府県女ひとりで行ってみよう
・著者名:益田ミリ
・出版社:幻冬舎
・出版年:2011年
・ISBN:9784344416604

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著者・益田ミリさんはどんな作家?

パソコン入力する女性の手元

益田ミリさんは、日常の小さな気づきや感情を丁寧に切り取る漫画家・イラストレーター・エッセイストとして高い人気を誇る作家です。

人生の派手な出来事や恋愛模様より、思わず「わかる…!」と共感してしまうような、日常のささやかなひとコマを描いた、余韻の残るストーリーで人気を集めています。

柔らかな語り口と心地よい言葉選びで、感情が揺さぶられる瞬間や、人間関係で感じる心のひっかかりなど、心にそっと寄り添ってくれるような物語が紡がれているのが魅力です。

また、益田ミリさんはご自身が旅好きとしても知られています。

観光地巡りだけでなく、スーパーで食事を調達してホテルで過ごしたり、カフェで読書をしたりと、現地に馴染みながら、気取らずのんびり自分と向き合う旅をされている印象です。

国内・海外問わず旅されていて、数々の旅エッセイは、47都道府県制覇を目指す・憧れる旅好きにこそ、ぜひその世界観を体験してほしい内容となっています。

あらすじ(ネタバレを避けて解説!)

万年筆

『47都道府県女ひとりで行ってみよう』は、益田ミリさんが47都道府県すべてをひとりで訪れた旅の記録を、エッセイ形式でまとめた一冊です。

益田ミリさんが33歳の終わりから37歳まで、毎月欠かさず一つの都道府県を旅しながら、実際に足を運んだ観光スポットイベント地元グルメなどを紹介しています。

都道府県ごとの旅に使った費用もまとめられていて、自分がひとり旅を計画する際の旅費の参考にもなるのが魅力的なポイント。

ひとり旅中の何気ないエピソードを切り取った四コマ漫画や、47都道府県それぞれの写真も挿入されているため、文字ばかりの本が苦手な方でも気軽に楽しめます。

『47都道府県女ひとりで行ってみよう』を元司書がレビュー

元司書が感じた率直な感想

本の上に置かれたペン

私が最初に本書を読み終えたとき、益田ミリさんの心の中や人生をのぞかせてもらっているような、「正直な心情が綴られた本だなぁ」と感銘を受けたのが印象に残っています。

気楽に読める温かい雰囲気がベースにありながら、ひとり旅の淋しさ旅先での残念だったポイントも包み隠さず描かれていて、リアルで親近感が湧く文章に魅了されました。

また、苦手なものや興味のないものをはっきりと言い切る思い切りの良さや、テンポの良い言い回しには、思わずくすっと笑ってしまうユーモアもあるのが私のお気に入りです。

47都道府県制覇を達成した単なる旅行記ではなく、日常の何気ない瞬間の素直な感情を言葉にした益田ミリさんの“等身大の視点”が際立っています。

だからこそ、ひとり旅中に思いがけず見つけた素敵な場所や、旅先で出会った人との会話などの温かい空気感も率直に伝わってきて、まるで自分が旅しているように没入できます。

本の魅力と印象に残ったポイント

読書する人の手元

本書の魅力は、47都道府県ひとり旅の楽しさはもちろん、日常で誰もが感じるであろう緻密な心の動きが丁寧に表現されていることだと私は思います。

益田ミリさんご自身が「旅は自分の心と話せる時間」と表現されている通り、旅を通して自分の心と向き合い、ふとした拍子に潜在的な感情に気付く――そんな瞬間を思い出させてくれる一冊です。

また、私は本書を読んでいて、以下の表現が特に印象に残っています。

もしもわたしがここに生まれていたら、この店に通ったのだろうか?

引用元:益田ミリ『47都道府県女ひとりで行ってみよう』

旅していると、「どこかで見たことある雰囲気だなぁ」と思う街も、今までに出会ったことのない自分にとって新しい空気が広がる街もあります。

自分の故郷と似ている街には安心感を感じ、初めての雰囲気の街では「もしここに生まれていたら、自分はどんな人生を送っていたのだろう?」とぼーっと異世界を想像できるのもひとり旅の醍醐味なのです。

ひとり旅好きの私が大きく共感したこの表現のほかにも、本書には、こんな風にひとり旅の楽しみ方を自然に教えてくれる優しいポイントが豊富に詰まっています。

『47都道府県女ひとりで行ってみよう』はこんな人におすすめ!

本の上に置かれたドライフラワー

『47都道府県女ひとりで行ってみよう』は、「ひとり旅に興味はあるけれど、なかなか一歩踏み出せない」という人におすすめです。

旅先での心情やちょっとしたハプニングも含めた“リアルなひとり旅”が描かれているため、ひとり旅の実態を知り、心の準備をしながら旅への不安が自然とほぐれていきます。

また、忙しい毎日の中で「少し気分転換したい」「自分のペースを取り戻したい」という人にも寄り添ってくれる内容です。

読むと心が静かに整うような一冊なので、旅好きはもちろん、普段あまり旅行しない人にとっても、新しい風を吹かせてくれます。

あわせて読みたい!益田ミリさんの旅エッセイ3冊

窓際の本とコーヒー

『47都道府県女ひとりで行ってみよう』を読んで、「ほかの益田ミリさんの旅エッセイを読んでみたい!」と感じた方に向けて、おすすめの3冊を紹介します。

日常の延長にあるようなふらりと出かける旅や、人生で一度は見てみたい世界の絶景を巡るひとり旅など――

益田ミリさんの旅エッセイには、旅好きはもちろん、気持ちを整えたいときにも気軽に読める本が揃っています。

『47都道府県女ひとりで行ってみよう』とあわせて、ぜひ手に取ってみてください。

『ちょっとそこまで旅してみよう』

ちょっとそこまで旅してみよう』は、益田ミリさんが「ちょっとそこまで」という気軽さで旅した記録を綴る旅エッセイです。

家族とのんびり国内を旅したり、ひとりで東京の離島や海外に足を延ばしたり、パートナーと気になっていたスポットを巡ったり、友人と近場のイベントに出かけたり――

まるで自分も一緒に旅しているかのような臨場感があり、テンポよく読み進められるのが魅力です。

お目当てのご当地グルメをゆっくり味わったり、家族の念願だった観光スポットを満喫したりと、訪れる場所や同行者によって旅の雰囲気がガラッと変わるのがユニークなポイント。

旅行好きはもちろん、普段あまり遠出しない方にも、「どこかふらっと出かけてみようかな?」と小さな冒険心を呼び起こしてくれる、そんな一冊です。

【本の詳細情報】
・タイトル:ちょっとそこまで旅してみよう
・著者名:益田ミリ
・出版社:幻冬舎
・出版年:2017年
・ISBN:9784344425989

『美しいものを見に行くツアーひとり参加』

美しいものを見に行くツアーひとり参加』は、本やテレビなどで一度は目にしたことのある世界各地の絶景を見に行くツアーに参加した様子を紹介する、旅エッセイです。

自然が生み出す光の絨毯「北欧のオーロラ」や、おとぎ話の世界に迷い込んだような「ドイツのクリスマスマーケット」、絵画さながらの「フランスのモンサンミッシェル」など――

現地で広がる壮大な景色はもちろん、おすすめの地元グルメ海外ひとり旅に必要な持ち物など、ひとり旅に挑戦したい人の背中をそっと押してくれる内容となっています。

また、1週間前後をともに過ごすツアー客同士が、付かず離れずの程よい距離感で絶景を共有する、心地よい交流が描かれているのも魅力の一つです。

誰かと一緒では見逃してしまう小さな気付きや、ひとりだからこそ味わえる景色の奥深い美しさが綴られたエッセイで、ひとり旅ならではの楽しみ方を自然と教えてくれます。

【本の詳細情報】
・タイトル:美しいものを見に行くツアーひとり参加
・著者名:益田ミリ
・出版社:幻冬舎
・出版年:2020年
・ISBN:9784344430112

『心がほどける小さな旅』

心がほどける小さな旅』は、南の島や海外など遠くに行けないときでも、身近な場所で楽しめる”ふっと心が軽くなる小さな旅”を、春・夏・秋・冬ごとに綴った旅エッセイです。

観光列車でのんびり車窓を眺めたり、水族館で一泊できる特別な体験を楽しんだり、伝統的な祭りの幻想的な雰囲気に包まれたり――

日常で疲れ切った心が、非日常的な体験や壮大な自然、旅先の温かな空気感に癒されていく”小さな旅”の魅力が詰まっています。

遠くに行けなくても、日帰りや数日で行ける日本各地への旅が、普段の生活から離れて気分転換になることに気付かせてくれる一冊です。

さまざまな事情で遠出が難しい方にとっても、気軽におでかけできるヒントがみつかるはずです。

【本の詳細情報】
・タイトル:心がほどける小さな旅
・著者名:益田ミリ
・出版社:幻冬舎
・出版年:2016年
・ISBN:9784344424692

まとめ:『47都道府県女ひとりで行ってみよう』と一緒に素敵な旅を

機内から望む伊平屋伊是名諸島

『47都道府県女ひとりで行ってみよう』は、ひとり旅に興味がある方はもちろん、日常の中で少し心を整えたい方にも寄り添ってくれる作品です。

47都道府県をひとりで巡る壮大さと、日常の延長にある素朴な旅の両方を味わえ、読んだ後には「どこかへ出かけてみようかな?」という小さな灯りが心にともるはずです。

国内旅行の魅力を知るとともに、益田ミリさん独特の柔らかな視点も存分に満喫してみてください。

私がそうであったように、本書をきっかけに、あなたの次の旅がより豊かなものになりますように。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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