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世界の民話絵本おすすめ5選【元司書厳選】旅する気分になれる物語

世界の民話とは?世界各地に伝わる物語の魅力

図書館の本棚に並ぶ絵本

世界の民話とは、特定の作家が創作した物語ではなく、民衆の生活の中から生まれ、各地の人々が長い年月をかけて語り継いできた生きた文化の記録」です。

その土地の価値観や自然観、暮らしぶりが物語に自然と溶け込んでいる点が、民話ならではの魅力といえます。

民話と似た言葉に「昔話」「伝説」などがありますが、民話は庶民の間で口頭により伝承されてきた物語であり、「昔話」や「伝説」はその一種とされています。

世界には、各地域の自然・宗教・価値観が色濃く反映された多くの民話があり、民話を読むと、実際に訪れたようにその土地の生活・信念・信仰心を身近に感じられるのです。

民話や昔話、童話などを集めた本は数多くありますが、その中でも絵とともに世界の民話を楽しめる「民話絵本」の魅力について、以下で紹介します。

世界の民話絵本の魅力|異国を旅する気分を味わえる

外国の露店に並ぶ古本

世界の民話絵本は、物語と絵が一体となって異国の文化や風土を身近に感じさせてくれる、絵本として読む楽しさを味わえる、大人の心にも響く絵本です。

民話は長い間その土地で語り継がれてきた物語で、善悪の単純な対立だけで語れない作品も多く、読んだあとに世界観や人生観をじんわりと考えさせられることもあります。

また、文章に絵が添えられていることで、その土地の風景や暮らしぶりがより豊かに伝わり、物語の世界を視覚的にも楽しめるため、文章だけの本が少し苦手な方にもおすすめ。

アフリカの伝統的な布製原画や、沖縄の鮮やかで力強いタッチ、北欧の落ち着いた色彩とダイナミックな線など、絵のスタイルそのものから異文化を感じられるのも魅力です。

旅先で感じた余韻を手元に残したい方にも、まだ訪れたことのない地域への興味を深めたい方にも、民話絵本はまさに「紙の上の旅」を楽しめる一冊といえます。

合わせて読みたい

世界の民話絵本を選ぶ際のポイント|元司書が解説

図書館 書棚間の通路

世界の民話絵本を選ぶときは、興味のある地域絵のスタイル物語のテーマの3つを軸にすると、自分に合った一冊に出会いやすくなります。

民話絵本は作品によって舞台となる地域や画風、描かれている教訓が大きく異なるため、自分の興味やフィーリングに合うものを選ぶのがおすすめです。

図書館や書店などで直接手に取る場合は、絵の雰囲気や言葉選びなどを軽く確認し、ネットで購入する場合は、購入ページなどであらすじに目を通してみると良いでしょう。

世界の民話絵本おすすめ5選|元司書が厳選

平積みされた絵本

舞台の地域絵のスタイル物語の内容という3つのポイントを踏まえ、旅好きの大人の方が旅気分を味わえる世界の民話絵本を5冊厳選しました。

エジプト沖縄ノルウェードイツ古代ギリシャと幅広い地域から、画風やテーマの異なる絵本を選んでみたので、好みに合わせて気になる一冊を手に取ってみてください。

『ゴハおじさんのゆかいなお話』|エジプトの民話

『ゴハおじさんのゆかいなおはなし』は、エジプトをはじめとする中東で語り継がれる笑い話やとんち話を集めた民話集です。

まぬけで頑固、ときには賢いゴハおじさんが繰り広げる、ユニークで人生の教訓にもなる物語が、全15話(全96ページ)収録されています。

なかには、息子と一緒にロバをひいて出かけたゴハおじさんが、「人がどう思うかではなく、自分が正しいと思うことをする」ことを教えてくれる有名なお話も。

絵本でありながら児童書でもあり、「どんなことをしても文句をいう人はいる」世の中で、自分らしく生きるためのヒントを、エジプトで愛され続ける民話が教えてくれます。

また本作は、エジプトの職人による布製原画を再現した挿絵から、エジプトの情景や文化、人々の暮らしを感じられるのも人気の秘密。

伝統的な色彩と親しみやすい素朴な質感により、ゴハおじさんのほのぼのとした人柄も伝わってきます。

伝統工芸を使った柔らかな風合いの絵と、コミカルながら奥深く大人でも楽しめるエジプト民話を通して、中東へ旅する気分を味わってみてはいかがでしょうか。

絵本の詳細情報

  • タイトル:ゴハおじさんのゆかいなおはなし
  • 著者名:デニス・ジョンソン-デイヴィーズ 再話 / ハグ-ハムディ・モハンメッド・ファトゥーフとハーニ・エル‐サイード・アハマド 絵 / 千葉茂樹 訳
  • 出版社:徳間書店
  • 出版年:2010年
  • ISBN:9784198628987

『とんとんみーときじむなー』|沖縄に伝わる民話

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『とんとんみーときじむなー』は、沖縄に古くから伝わる精霊「キジムナー」と地元の人々の交流を描いた、沖縄の歴史や文化に触れられる一冊です。

キジムナーとは、沖縄に古くから伝わるガジュマルの古木に宿る精霊で、赤い髪をした人間の子どもほどの背丈の姿だと言われています。

本作はその不思議な存在を南国らしい鮮やかな色彩と温かみのある画風でいきいきと描いており、絵を眺めるだけでも沖縄の自然や空気感が伝わってくる絵本です。

キジムナーとんとんみー(沖縄方言でミナミトビハゼの意)に加え、アダンガジュマルの木マングローブなども登場し、沖縄旅行への思いがかき立てられます。

日本の本土の昔話とは異なる沖縄ならではのファンタジーの世界観に、まるで物語の中に入り込んだような没入感を味わえること間違いなしです。

沖縄好き(何を隠そう私もその一人です!)の方や、これから沖縄旅行を予定している旅好きの方は、ぜひ一度は手に取って、沖縄の文化や魅力をより深く感じてみてください。

絵本の詳細情報

  • タイトル:とんとんみーときじむなー
  • 著者名:田島征彦
  • 出版社:童心社
  • 出版年:2025年(1987年初版同作の改訂新版)
  • ISBN:9784494012640
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『三びきのやぎのがらがらどん』|ノルウェーの民話

『三びきのやぎのがらがらどん』は、ノルウェーの民話作家・アスビョルンセンが、友人のヨルゲン・モーと一緒に編纂したノルウェーの昔話集のひとつです。

3匹とも名前を「がらがらどん」という、小さなヤギ・中ぐらいのヤギ・大きなヤギが、山に草を食べに行った際、橋の架かる谷に住むトロルと対峙しながら前へ進みます。

日本の児童文学作家・翻訳家である瀬田貞二氏が翻訳を手がけ、歯切れのよい語り口と個性的な擬音語を織り交ぜた、リズム感のある文章運びが魅力です。

また、アメリカの絵本作家であるマーシャ・ブラウンの力強い版画風のイラストは、北欧の深い森林を表現した荒々しい躍動感にあふれており、大人が鑑賞しても見応えのある一冊。

ダイナミックな筆使いはもちろん、細かな表情の変化から、小さなヤギの好奇心旺盛で怖がりな一面や、大きなヤギの揺るぎない自信と強さなど、性格までも伝わってくるようです。

世界中で愛されるロングセラーの絵本を読んで、雄大な山々や深い渓谷、真っ直ぐ伸びる木々など、まるでノルウェーの森を散策するかのような旅気分を味わってみてください。

絵本の詳細情報

  • タイトル:三びきのやぎのがらがらどん
  • 著者名:マーシャ・ブラウン 絵 / せたていじ 訳
  • 出版社:福音館書店
  • 出版年:1965年
  • ISBN:9784834000436

『ブレーメンのおんがくたい』|ドイツの民話

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『ブレーメンのおんがくたい』は、グリム兄弟が収集したドイツの民話「グリム童話」の代表的な昔話で、時代や国境を超えて読み継がれる不朽の名作です。

年をとって働けなくなった動物たちが、力を合わせて困難を乗り越えるというテーマは、世代を問わず普遍的に響きます。

日本では複数の出版社から異なる訳・画風の絵本が出ており、翻訳者や絵師の違いによって物語の印象がどう変わるかを読み比べるのも楽しみ方のひとつ。

なかでも偕成社の『ブレーメンのおんがくたい』は、『赤毛のアン』の翻訳者として知られる村岡花子氏と、画家で絵本作家である中谷千代子氏による注目の一冊です。

シンプルで子どもにとっても分かりやすい表現ながら、上品な言葉選びの物語と、色鉛筆とクレヨンを混ぜたような親しみやすく柔らかな絵が、物語の深みを一層引き立てています。

ドイツの深い森林を彷彿とさせる、力強さも感じるタッチや色使いの絵を眺めていると、まるでドイツの森を散策しているかのような非日常的な旅気分を楽しめます。

絵本の詳細情報

  • タイトル:ブレーメンのおんがくたい
  • 著者名:グリム兄弟 著 / 村岡花子 文 / 中谷千代子 絵
  • 出版社:偕成社
  • 出版年:1967年
  • ISBN:9784033032207

『アリとキリギリス』|古代ギリシャの寓話

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『アリとキリギリス』は、古代ギリシャのイソップ寓話(ぐうわ:人間の教訓や風刺を動物などで擬人化した物語)を原典とする絵本で、世界中で長く親しまれてきた名作です。

働き者のアリと遊び続けるキリギリスの対比は、時代や文化を超えて共感を呼ぶメッセージを伝えており、大人が読み返しても人生の教訓になるような深みを感じます。

『アリとキリギリス』もさまざまな出版社から絵本が出ており、それぞれで作者や絵師による違いを読み比べてみると、物語の解釈がさらに広がるのも魅力。

なかでも、岩崎書店による『アリとキリギリス』は、詩人・作家の蜂飼耳氏による温かく優しい言葉選びはもちろん、絵本作家・かわかみたかこ氏の淡く情景豊かな挿絵は必見です。

鮮やかな色合いで表現される草花からは、まるで自然豊かなお花畑を旅しているかのような華やかさを感じました。

絵の背景や暮らしの描写からは、古代ギリシャの文化や美意識がさりげなく反映されているのも印象的です。

色鉛筆と水彩画が融合したような淡い色合いと繊細なタッチが、厳しい教訓を描きながらも、どこか優しい気持ちになれる癒しの雰囲気を生み出している一冊です。

絵本の詳細情報

  • タイトル:アリとキリギリス
  • 著者名:蜂飼耳 文 / かわかみたかこ 絵
  • 出版社:岩崎書店
  • 出版年:2017年
  • ISBN:9784265085590

まとめ:世界の民話絵本は大人にもおすすめ

本棚に並ぶカラフルな本

世界の民話絵本は、旅や異文化に関心のある大人にとって、実際にその地域を旅している気分を手軽に味わえる存在です。

「絵本は子どもが読むもの」というイメージを持たれがちですが、人生の教訓にもなる深い物語芸術性あふれる挿絵も多く、大人がじっくりその世界観に浸るのにもぴったりです。

世界各地の民話絵本は、地域絵のスタイル物語の内容という3つの軸から選ぶことで、自分の旅の記憶や知的好奇心と結びついた一冊に出会えるでしょう。

民話はその土地の人々が語り継いできた「生きた文化の記録」であり、まだ旅したことのない異国の物語が、日常をちょっと豊かにしてくれるはずです。

今回ご紹介した5冊を手がかりに、まずは気になる地域の1冊を手に取って、絵本を通した旅気分をぜひ満喫してみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※記事の内容は、執筆時点のものです。

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