目次
公務員から公務員への転職は可能
結論から申し上げると、公務員から公務員への転職は可能です。
公務員から準公務員へ転職した実体験をもとに、実際の転職事情について解説します。
また、公務員の転職のうち、専門職の転職事情についても説明しています。
- 「公務員から公務員への転職を考えている」
- 「公務員の専門職から転職できるか心配…」
- 「公務員を辞めたいけど、どうしようか迷っている」
という方は、ぜひご覧ください。
公務員の離職率
公務員は、福利厚生が手厚く、比較的安定していると言われる職業のため、離職率は低い傾向にあります。
ただ、毎年一定数は、定年退職以外の理由での退職者が出ており、若年層の割合も高くなっています。
〇国家公務員の退職者数(R4年度中の退職)
全体:21,873名
定年:5,797名(全体の約27%)
辞職:10,509名(全体の約48%)
その他:5,567名(全体の約25%)
若年者(~39歳):4,633名(全体の約21%)
※人事院 一般職の国家公務員の任用状況調査 R4年度「俸給表別・項目別総集計表」より抜粋
※割合は、少数第一位を四捨五入
〇地方公務員の退職者数(R3年度中の退職)
全体:188,729名
自己都合:61,349名(全体の約33%)
定年合計:77,142名(全体の約41%)
内 勤続11~25年未満:2,471名
内 勤続25年以上:74,671名
その他:50,238名(全体の約27%)
若年者(~39歳):64,107名(全体の約34%)
※令和4年 地方公務員給与の実態 令和4年4月1日地方公務員給与実態調査結果「第1 調査結果の概要」より抜粋
※割合は、少数第一位を四捨五入
国家公務員(一般職のみ) | 地方公務員(一部事務組合を含む) | |
---|---|---|
定年退職 | 27% | 41% |
普通・自己都合退職 | 48% | 33% |
その他 | 25% | 27% |
若年者 | 21% | 34% |
表からわかること・・・
・普通、自己都合の退職は、30%から50%弱。
・若年者の退職は、20%から30%程。
公務員から公務員の転職者は実際いる
この記事の筆者は、29歳になる年に公務員から準公務員への転職に成功しています。
※なお、公務員から準公務員(県立大学)への転職ですが、採用試験や採用後の待遇等は県に準じているため、便宜上、公務員扱いとさせていただいております。
また、国家公務員から地方公務員への転職や、県の職員から市の職員への転職、といったような例も耳にします。
公務員から公務員の転職の種類
公務員といっても、通常イメージされることの多い一般職から、専門的な資格等を活かして働く専門職まで、職種ごとに採用枠や仕事内容が異なります。
一般職間または専門職間の転職、一般職から専門職への転職など、同じ公務員の転職でも、その事情は大きく異なります。
同じ職種へ転職する
一般職から一般職、同じ職種の専門職間の転職の場合は、働く地域や職場の環境は変わりますが、仕事の内容や方法はあまり変わりません。
ただ、公務員は部署を超えた人事異動があるため、様々な仕事を経験することになります。
同じ専門職間の転職の場合も、仕事内容の大幅な変化はありません。ですが、所属する機関の役割によって異なる場合があります。
(例:福祉職の場合~都道府県には生活保護の担当課はありませんが、市町村では生活保護のケースワーカーになる可能性があります。)
他の職種へ転職する
例えば、一般職から専門職へ、専門職から別の職種の専門職へ転職する場合などです。
正直、あまり多くはない事例です。
実際、専門職(福祉)から専門職(司書)へ転職する際に、「そんなことができるのか?」と調べましたが、参考になる情報がとても少なく、心細かった経験があります。
あまり多くはないとは言え、実際の経験者がおりますので、可能です!
公務員(福祉職)から公務員(司書)への転職経験談
大学卒業後、新卒で県の福祉職として採用されました。病院や障がいのある方の支援施設での業務経験があります。
しばらく勤務後、もう一つ興味があった職種の司書として、別の県の県立大学へ転職しました(29歳のとき)。
福祉職として働きながら、通信制の大学で司書の資格を取得しています。採用試験の教養科目は、新卒の時に勉強したことを思い出して挑みました。
*公務員の別の職種への転職を考えている方へ*
仲間が少なくて心細いかもしれませんが、転職可能です。
働きながら多職種の勉強や情報収集をすることになるので、多少の苦労はあります。
なお、自治体によっては年齢制限がある場合がありますので、募集要綱等をよくご確認ください。
公務員から公務員への転職のメリット、デメリット
公務員から公務員へ転職する際の、メリットとデメリットについては以下の通りです。
メリット
- 新たな環境に身を置くことで、自身がステップアップできる
- より自分に合った環境、職種へ変えることができる
- 仕事の大きな目的やスタンスが変わらない
- 自身の生活状況に対応できる(地元へのUターン、結婚等)
- 公務員間なので、待遇面の心配が少ない
デメリット
- 改めて採用試験を受ける必要がある
- 仕事をしながら採用試験や資格試験の準備をするのが大変
- 環境が変わるので、慣れるまで苦労する(公務員に限ったことではない)
- 転職したことを後悔する可能性もゼロではない
公務員から公務員への転職は、仕事の目的や内容が大きく変わることが少ないため、公務員から民間企業へ転職するよりは、メリットが多いかもしれません。
転職を検討している方へ(後悔のない決断を)
転職したいと考えている方には、様々な事情があるかと思います。
- 家庭の事情(結婚、家族の介護)、職場での人間関係、ご自身の体調不良等。
- 公務員の仕事が合わない、このまま定年まで働き続けられるだろうか…等の漠然とした不安。
転職は、自分の生活と人生を変える大きな決断です。
とにかく後悔のないように、じっくり考えて進みましょう。
勢いだけで決めてしまうと、転職後に「やっぱり前の方が良かった…」という状況になりかねません。
また、ご家庭がある場合は、ご家族ともよくご相談の上で進める必要があります。
まとめ
公務員から公務員への転職は、可能です!
現在の職種から、別の職種への転職もできます。
転職をお考えの際は、後悔のないよう、良く考えた上でご準備ください。
仕事をする時間は、1日の約1/3の時間を占めています。
皆さまが、自分に合った仕事・環境で、よりご活躍できるよう祈っております。