小笠原諸島にはどんなマンホールがある?デザイン・地図を確認

「日本で一番遠い島」と言われる小笠原諸島には、ポケモンのマンホール「ポケふた」や固有種を描いたものなど、ここでしか見られない珍しいマンホールが多くあります。
このようなご当地マンホールは、小笠原諸島の観光拠点である父島に集中しており、散策中のマンホール巡りも島内観光の楽しみのひとつです。
この記事では、実際に小笠原諸島を一人旅した筆者が、父島でしか出会えないマンホールを、ポケふた・マンホールカードデザイン・固有種プレートの3種類に分けて紹介します。
「せっかく小笠原諸島に行ったのに、見つけられなかった!」と後悔しないよう、見られるマンホールの種類や場所をあらかじめ確認しておくのがおすすめです。
マンホールのある位置やマンホールカードをもらう方法、マンホールと合わせて楽しみたい歩道の「デザインタイル」についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
小笠原諸島の珍しいマンホールは3種類!ポケモン・固有種など

父島で見られる絵柄付きのマンホールは、主に以下の3種類です。
小笠原の雄大な自然とともに描かれたポケモンや、マンホールカードのデザインにもなっているザトウクジラ、小笠原諸島固有の動植物など――
どれも、世界自然遺産・小笠原諸島の希少な自然を象徴する個性豊かなデザインばかりです。
マンホールは、もともと下水道の管理のために設けられたものですが、全国各地で地域の魅力を表現した「見て楽しめるデザイン」のものも多くあります。
小笠原旅行の際には、本土から24時間かけて訪れるからこそ見られる貴重なマンホールを、ぜひ探してみてください。
小笠原諸島ならではのマンホールは父島のどこ?マップで確認

小笠原諸島にしかない貴重なデザインのマンホールは、父島の中心地・大村地区のメインストリート沿いに点在しています。
ポケふた・マンホールカードデザインふたは、ほとんどが二見港のある父島東町にあり、1枚のみ村役場のある父島西町で見つけました。
また、固有種デザインプレート付きのマンホールは、夜の海中生物観察スポット「とびうお桟橋」のある父島奥村に集中しています。
マンホールのあるエリアを実際に散策してみましたが、すべて徒歩で行ける範囲内です(マンホールのあるエリアの端から端まで徒歩約15分)。
小笠原観光協会(B-しっぷ内)ではマンホールの位置が書かれたマップをもらえるため、島内を散策する前に立ち寄ると、スムーズにマンホール巡りを楽しめます。
小笠原村のマンホールカードはある?どこでもらえる?

マンホールカードとは、下水道広報プラットホーム(GKP)が、下水道への理解・関心を深めるために自治体と協力して発行するコミュニケーションツールです。
小笠原村にはザトウクジラをデザインしたマンホールカードが1種類あり、2023年1月28日から希望者に配布されています。
マンホールカードの配布場所は、B-しっぷ内にある「小笠原観光協会」。
無料でもらえますが、1人1枚に限定されているため、折れたり汚れたりしないよう大切に保管しましょう。
参照:下水道広報プラットフォーム「マンホールカード」
参照:小笠原村「マンホールカード」
私はマンホールカードをもらいに行った際に、マンホールMAPがあることを知りました。「最初にもらっておけば良かった…」と思ったので、マンホール探しを予定している方は、最初に観光協会でマンホールカードとマップを一緒にもらうのがおすすめです。
小笠原諸島のポケモンマンホール「ポケふた」は4枚!【父島東町】

小笠原諸島には、フシギバナ・リザードン・カメックスという初代御三家の最終進化形と、幻のポケモン・ミュウが描かれた「ポケふた」の4枚があります。
「ポケふた」とは全国各地への観光誘致を目的としたプロジェクトで、各自治体が株式会社ポケモンから寄贈された世界に1枚だけのマンホールの設置を進めています。
小笠原村では「ポケモンデー」である2021年2月27日に、父島の中心地・大村地区のメイン通りに設置されました。
4つすべてが父島東町の都道240号線の歩道にあり、「小祝商店スーパー」付近から「小笠原観光協会(B-しっぷ内)」前まで、全長約200m・徒歩約3分の道に集約されています。
おがさわら丸が到着する二見港からも徒歩約5分の場所で、大村地区に宿をとっている方は散歩がてら、別の地区に宿泊する方も乗船前後にさっと回れる距離です。
以下では、二見港から歩いて探しに行くことを想定して、近い順にフシギバナ・リザードン・カメックス・ミュウの詳しい場所や雰囲気を紹介します。
参照:小笠原村「ポケふた」
「ポケふた」は、スマホ向け位置情報ゲーム「Pokémon GO」のポケストップにもなっています。現地で出会った旅仲間の中には、ポケモンの目的で来島した方もたくさんいて、「ポケふた」が地域活性化に大きく貢献していることを実感しました。
① フシギバナ

フシギバナの「ポケふた」は、小笠原諸島でも数少ないスーパーマーケット「小祝商店スーパー」の前にあります。
二見港からは歩いて約4~5分で、港から都道240号線を渡って左手側に進むと間もなく、足元に小笠原諸島の深い森林を思わせる鮮やかな緑色のマンホールが現れます。
フシギバナの背景には、島の固有種が息づく亜熱帯の森が表現されていて、足が水(海水?)に浸かっている細かな表現が印象的でした。
② リザードン

リザードンの「ポケふた」は、海・陸のアクティビティを開催している「小笠原観光有限会社」付近にあります。
小笠原諸島の街並みを見下ろす展望台からの眺めの中に、リザードンが悠々と飛んでいるダイナミックなデザイン。
小笠原の深い森とどこまでも続く広大な海が描かれた絵柄で、リザードンのオレンジの色合いが目を惹く1枚です。
ちなみに、郷土料理・島寿司やウミガメの握りを食べられる「島寿司」という寿司店も隣にあるため、小笠原諸島ならではの料理を味わってみたい方はぜひのぞいてみてください。
③ カメックス

カメックスの「ポケふた」は、家庭的な雰囲気が魅力の民宿「サンシャイン小笠原」の前にあります。
ボニンブルーの海に浮かぶ島々や白砂のビーチ、海岸線の崖が描かれていて、個人的には4つのポケふたの中で最も「小笠原らしいな」と感じた1枚です。
小笠原諸島はアオウミガメの日本最大の繁殖地で、ウミガメを食べる文化も根付いているため、「小笠原だからカメックスが選ばれたのかな?」なんて想像しながら眺めました。
参照:小笠原村観光協会「アオウミガメを観に行こう!小笠原は日本最大の繁殖地なんです。」
④ ミュウ

言わずと知れた幻のポケモン・ミュウの「ポケふた」は、島の観光拠点である「小笠原観光協会」(B-しっぷ内)前にあります。
「B-しっぷ」のクジラとイルカが描かれた青い看板が目印で、場所は分かりやすいものの、マンホールはベンチの後ろで草に囲まれているため、少し見つけにくいかもしれません。
小笠原諸島の美しい入り江と深い緑といった自然に、幻想的な「きらめき」が表現されていて、「幻のポケモン」らしい神秘的な雰囲気を感じました。
小笠原諸島のマンホールカードデザインふたは2色・各2枚!【父島東町・西町】

小笠原諸島のマンホールカードのデザインは、父島周辺の海を代表するザトウクジラをメインに、青空・星空・灼熱の太陽など島の自然が描かれています。
小笠原近海は冬から春にかけてザトウクジラが回遊してくる海域で、ホエールウォッチングなどで島民・観光客から親しまれる島の風景がご当地マンホールに採用された形です。
ザトウクジラのマンホールは、2017年から島内の各所に設置されており、このふたのデザインがそのままカードの絵柄になっています。
マンホールカードデザインの青色のふたに加え、同じデザインの色違いでオレンジ色のふたもあり、大村地区内(父島東町・西町)にそれぞれ2枚ずつ設置されています。
参照:小笠原村「小笠原オリジナルデザインふた」
ちなみに、私は小笠原旅行中にホエールウォッチングツアーに参加し、本物のザトウクジラを間近で眺められました。旅の様子は、ぜひ以下の記事をチェックしてみてください。
① ザトウクジラ(青色)
マンホールカードに採用されているザトウクジラ(青色)のふたは、ザトウクジラと小笠原諸島の自然をイメージした爽やかな色合いで描かれています。
ザトウクジラのブリーチング(海面からの大ジャンプ)を中心に、南の島らしい広く青い空と灼熱の太陽、星空の流れ星を表現した鮮やかな彩りが魅力です。
ザトウクジラ(青色)のマンホールは、リザードンとカメックスの「ポケふた」の中間付近から集落内へ入る小道と、小笠原村役場から1ブロック先の道端(父島西町)にあります。
ふと道端に現れる日本のホエールウォッチング発祥の地・小笠原諸島ならではのマンホールを、ぜひ探してみてください。
② ザトウクジラ(オレンジ色)
ザトウクジラ(オレンジ色)のマンホールは、青色のマンホールカードデザインの色違いとして2021年に登場したものです。
デザインの基本は青色のふたと同じくザトウクジラがモチーフですが、こちらは夕暮れどきのホエールウォッチングを表現した温かみのある配色となっています。
昼と夕暮れ、2つの異なる時間帯の小笠原諸島の空を、色違いのマンホールふたで表現している点が見どころです。
ザトウクジラ(オレンジ色)のふたは、父島東町の「ハートロックカフェ」近くと「ははじま丸船客待合所」付近に1枚ずつあります。
参照:小笠原村「小笠原オリジナルデザインふた」
小笠原諸島の固有種デザインプレート付きふたは7枚!【父島奥村】

小笠原諸島の父島・奥村地区では、島にしか生息しない固有種を描いたデザインプレート付きふたが、都道240号線に沿って7枚連続で設置されています。
奥村地区は、二見港「ははじま丸待合所」から海を背にして右側に進んだエリアです。
デザインプレート付きのマンホールは、「トビウオ桟橋」近くの歩道に道なりに並んでいます。
小笠原諸島は2011年に世界自然遺産に登録されており、独自の進化を遂げた希少な動植物がマンホールのデザインに採用されているのです。
それぞれのデザインプレートには鳥・昆虫・植物といった異なるジャンルの固有種が描かれており、街歩きをしながら島の生態系の豊かさを感じられます。
参照:小笠原村「デザインプレート付きふた」
① オガサワラカワラヒワ
「オガサワラカワラヒワ」は小笠原諸島の固有種であるアトリ科の鳥で、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されています。
体長は14cmほどと小さい鳥で、オスはオリーブグリーン、メスは薄茶色をしており、どちらも風切り羽に黄色い模様が入っているのが特徴です。
小笠原諸島の中でも母島列島と南硫黄島にしか生息しておらず、観光中に出会うことも少ない貴重な存在です。
② シマアカネ
「シマアカネ」は小笠原諸島にしか生息しない固有のトンボで、国の天然記念物、環境省のレッドリストで絶滅危惧種にも指定されています。
身体の細長い「腹」部分は鮮やかな赤色、頭部・胸部・腹の先端(しっぽに見える部分)は黒いのが特徴です。
現在は父島・母島ではほとんど見かけられず、主に兄島・弟島など父島列島の無人島で生息する希少な昆虫です。
③ オガサワラオカモノアラガイ
「オガサワラオカモノアラガイ」は小笠原諸島に分布する固有種の陸生貝類(カタツムリ)で、国の天然記念物、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されています。
体長は3cmほど、殻が小さく退化してナメクジのような姿をしているのが特徴で、半透明のゼリーのような謎めいた姿で知られています。
小笠原諸島で暮らすカタツムリのうち「94%が固有種」であり、このプレートは独自の進化を遂げた小笠原の生態系を象徴するデザインです。
参照:小笠原村観光局「世界中でここでしか見られない!!小笠原の固有種 part1」
④ オガサワラシジミ
「オガサワラシジミ」は小笠原諸島にのみ生息する固有のシジミチョウで、国の天然記念物、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されています。
全長1.2〜1.5cm程度の小さなシジミチョウで、オスは深く澄んだ海のようなコバルトブルーの翅(はね)を持っていることで有名です。
2018年に母島で確認されたのを最後に現在まで島内で見かけられることはなく、現地でもお目にかかれない貴重な姿に、マンホールのデザインを通して出会える1枚です。
⑤ ムニンノボタン
「ムニンノボタン」は小笠原諸島の中でも父島にしか自生しない固有植物で、環境省のレッドリストの絶滅危惧種に指定されています。
「ムニン」は小笠原諸島の古い呼び名「無人島(むにんじま)」に由来すると言われており、「無人島のボタン」ではなくノボタン科の常緑低木です。
樹高は1m程度と低いのが特徴で、小笠原諸島の夏真っ盛りの8月~9月にかけて、4枚(まれに5枚)の真っ白な花を咲かせます。
⑥ シマウツボ
「シマウツボ」は小笠原固有種のハマウツボ科の草本類で、環境省のレッドリストの絶滅危惧種に指定されています。
私は最初「ウツボ」と聞いて魚のウツボを想像しましたが、「シマウツボ」はモクタチバナ・オオバシマムラサキなどの樹木の根に寄生して生育するれっきとした植物です。
背丈は10~15cmほどで、9月~10月頃と3月~4月頃の年に2回、寄生した樹木の根元に、毛におおわれた鱗片状のダイナミックな黄色い葉を付けます。
⑦ ウラジロコムラサキ
小笠原固有種の「ウラジロコムラサキ」は、日本各地に分布するムラサキシキブの仲間で、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されています。
ムラサキシキブは『源氏物語』を書いた紫式部ではなく、紫色の花や実を付ける落葉低木で、「ウラジロコムラサキ」も6月頃に紫色の小さな花を咲かせます。
小さく厚い葉は白い綿毛におおわれており、特に葉の裏に綿毛が密集することが「ウラジロ」と呼ばれる理由です。
岩場で風の強い環境に適応した「ウラジロコムラサキ」の姿からは、世界自然遺産・小笠原諸島ならではの、独自の進化を遂げた生態系を感じられます。
その他の小笠原諸島らしいマンホール・歩道のデザインタイル

小笠原諸島には、ポケふた・マンホールカードデザイン・固有種プレートの3種類以外にも、島らしさを感じられるマンホールやデザインタイルが設置されています。
島内を散策していると、歩道に小笠原ならではのデザインが点在しており、足を止めて眺めたり写真を撮ったりするのも、街歩きの楽しみ方のひとつです。
以下では、小笠原諸島オリジナルデザインのふたと、道沿いに見られるデザインタイルについて詳しく紹介します。
小笠原諸島オリジナルデザインふた:初代デザインは親子イルカ

小笠原諸島では、マンホールカードに採用されているザトウクジラのほかにも、1998年頃から島独自のオリジナルデザインを施したマンホールふたの設置が進められています。
初代はイルカの親子のデザインで、ミナミハンドウイルカ・ハシナガイルカなどが年間を通じて生息する小笠原諸島の海を表現したマンホールです。
イルカの親子が描かれたマンホールは、最初に設置された色なしのほか、イルカ・海・サンゴが着色されたカラーバージョンもあります。
ザトウクジラのマンホールカードデザインふたと合わせて、島を象徴するイルカのオリジナルデザインふたもぜひ探してみてください。
デザインタイルが点在:タコノキ・ヒロベソカタマイマイなど

マンホールとは異なりますが、島内にはマンホールのふただけでなく、小笠原諸島の生き物や植物をモチーフにしたデザインタイルが歩道に埋め込まれています。
私が見つけた中には、小笠原諸島の固有種「タコノキ」や、南島に半化石が残る約1000年前に絶滅した「ヒロベソカタマイマイ」のデザインタイルがありました。
オリジナルデザインのマンホールよりも「デザインタイルの方が多いのでは?」と感じるほど数多くのデザインタイルが点在しており、マンホール探しと合わせて楽しめます。
私は見つけられませんでしたが、ほかにも「コアホウドリ」や「ハハジマメグロ」などのデザインがあるようなので、マンホール巡りの際はぜひタイルにも注目してみてください。
まとめ|小笠原諸島にしかない特別なマンホールを探しに

小笠原諸島オリジナルのマンホールは、主にポケふた・マンホールカードデザイン・固有種プレートの3種類が父島の歩道に点在しています。
父島東町・父島西町・父島奥村と設置エリアは分かれるものの、いずれも徒歩圏内に集中しており、設置場所さえ押さえておけば限られた時間でもスムーズに巡れます。
オリジナルデザイン「ザトウクジラ」のふたが描かれたマンホールカードは、小笠原村観光協会で無料配布されているため、街歩きの合間にぜひ立ち寄ってみてください。
世界自然遺産・小笠原諸島を訪れるなら、ここでしか見られないデザインマンホールを、ぜひ実際に自分の足で探しに行ってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
※記事の内容は、旅行当時(2026年4月)または執筆時点のものです。









